お赤飯は現代も、ひな祭りや入学祝い、卒業式や成人式などの祝いの席に登場し、日本人の行事には欠かせないものです。

コンビニなどで、おにぎりとして売られていることもあり、身近な存在であることから「餅やあんこは食べなくても、お赤飯は好き」という方も多いのではないでしょうか。

さて、「御赤飯は和菓子」というわけではないのですが、なぜか和菓子屋さんに行くと必ずと言っていいほど並んでいるものですね。というわけで、今回はお赤飯について紹介しましょう。

お赤飯の作り方は、餅米に小豆を混ぜ、蒸して作ります。餅米と小豆、という材料から和菓子屋さんには必ず置いてある材料でできています。

それでは、「なぜ、お餅などとお赤飯が一緒に売られているのか?」という理由については、「昔はお赤飯は、餅などと一緒におやつとして扱われていたから」という説があります。

その他、和菓子屋さんによっては、太巻きやおいなりなどの「巻き寿司」なども一緒に置いてあるところがあるのを、みたことがないでしょうか。

現代のようにスナック菓子などの無かった時代、太巻きやお赤飯は、ちょっと小腹を満たすような、まさに「おやつ」だったのかもしれませんね。

お赤飯をなぜ「お赤飯」と呼ぶのかについては、小豆の赤い色が米に付き、赤くなるためです。また、お赤飯を「おこわ」と呼ぶ場合もあります。

おこわ、とは漢字で書くと「お強(こわ)」と書きます。「強(こわ)」とは昔の言葉で「かたい」、「怖い」などの意味があります。

この「お強(こわ)」、「強飯(こわいい)」とは、餅米を蒸して作るもののことで、現在のように水から炊いて作る米を「姫飯(ひめいい)」と呼ぶのに対して、おこわは少し堅めの食感でした。

つまり、「おこわ」とは「かためのご飯」という意味があります。

おこわは現在では、「お赤飯」というよりも、餅米に栗や山菜、芋や鶏肉などを加えて蒸したものを言う場合がほとんどとなっています。

これは、餅米を蒸したもの自体を「お強」、「強飯」と呼んでいたためです。お赤飯もおこわの一つだったということですね。

さて、祝いの席に登場することがほとんどであるお赤飯ですが、地方によっては縁起の悪い日や、お葬式、不吉なことがあった日など、凶事の場合に用意する地域もあります。

これは、「小豆の赤には、邪気を払う力がある」「厄よけできる力がある」と信じられていたためもあります。

また、祝いの日には普通にお赤飯を用意するけれど、縁起の悪い日には、小豆ではなく黒豆を使って赤飯(赤くないので黒飯でしょうか)を用意する、という、区別をつけている地域もあるようです。

その他、元々お赤飯に使う豆といえば小豆ですが、小豆の代わりにササゲ豆を使う場合も多くあります。これは、小豆の皮は柔らかく、蒸し上がったものを混ぜると、すぐに割れてしまうからだ、と言われています。

では、「小豆が割れると何が悪いのか?」というと、武家社会では割れた小豆の腹が「切腹」を連想させたそうです。そのため、炊いても割れにくいササゲ豆を利用するところが増えました。